眠れないのにベッドに入ってじっとしているのは、「眠れない」プレッシャーを大きくして逆効果です。少しくらい睡眠時間が短くなっても、そう簡単には体調をくずすことはありません。眠れないときは無理せず、起きてゆったりと過ごし、眠気を感じてからベッドに入りましょう。
コーヒーや紅茶、緑茶はできれば就寝の4時間前までにしましょう。カフェインには覚醒作用があるためです。飲むなら、シャキツとしたい朝に。寝酒もNG。アルコールは睡眠に悪影響を及ぼします。
酔うと寝つきはよいかもしれませんが、眠りを浅くするので、酔いが覚めてくるころに
目も覚めてしまい、
そのあと眠れなくなります。
また、水分をとりすぎると
トイレに行く回数が増えて
質のいい睡眠の妨げになることも。
睡眠のリズムを整えるには起床時間
を一定にするのがコツ。
きちんと起きて日中活動することが、
深い眠りの秘訣です。
また、人間の体内時計の周期は
元来25時間ですが、地球の24時間に
対応して生活しています。このズレだ1時間を唯一修正してくれるのが太陽の光。
そこで、人間は朝目覚めて光を浴びることで、その時差をリセットしています。このしくみを利用し、朝の起床時間を一定にすると、一日のスタートが同じ時間に整い、夜も毎日ほぼ同じ時間に眠気を感じるリズムがつくられます。ところが、起床時間がまちまちだと一日のスタートもバラバラになり、就寝時間もずれて睡眠リズムが乱れてしまいます。
うまく眠りに入れないときは、耳栓をして、タオルを目にかけて、音と光の刺激をシャットアウトしましょう。外から入ってくる刺激を遮断すると、気持ちが落ち着き、リラックスできるので、眠りやすくなります。
入浴やストレッチ、明日の準備など、毎晩、寝る前の行動パターンを一定にすると、条件反射で眠気が起こりやすくなります。部屋を暗くして、アロマの香りの中、音楽を聴くのもおすすめです。
自分なりの「入眠儀式」を行うことで、体は「そろそろ寝る時間」と準備を始めます。
夜中にふっと目覚めてしまい、すぐに眠れそうもないときは、思いきって起きてしまいましょう。そのままベッドで横になっていると、寝つけない焦りが生じて、かえって眠れなくなります。それよりも、リビングで眠気が訪れるまでゆったり過ごし、再度眠くなってからベッドに戻るのがポイント。
首から背骨は重い頭を支えるために、緩やかなS字カーブを描いています。就寝中はこのS字カーブを保って寝るのが理想的な姿勢です。
朝、起きると首や肩、腰が痛い人は寝具が合わないためにS字カーブに負担がかかって熟睡できていない可能性が。まずは枕の高さを見直してみましょう。枕をしっかり首を支える位置で使っているかも大切なポイントです。
室温や湿度が高すぎると寝苦しくなります。睡眠に適した室温は26〜28℃、湿度は50%±
10%が理想です。
暑さで寝苦しいときは、窓を開けて風の流れを利用するなど、室温や湿度を下げる工夫をしたり、氷枕で頭を冷やすのも効果があります。エアコンや扇風機を使うときは、冷風が当たりすぎると体が冷えてしまうので、エアコンの温度は高めに設定し、扇風機を壁に当てて空気を循環させることが大切です。
不眠の場合、午後になると眠気に襲われることが少なくありません。こうしたときは我慢するより、昼寝をしたほうが頭の疲れが取れて、起きてからの時間を効率よく使えます。ただし、昼寝は15時までの20分以内に抑えて。夕方の昼寝は寝つきを妨げます。また、長い昼寝は、頭がぼんやりしてしまうので注意。
食べた直後に寝ると胃腸がまだ動いているために、眠りが妨げられます。とくに消化に時間がかかる肉や油っぽいもの、唐辛子などスパイシーな食べ物はNG。就寝中は消化活動が落ち着いた状態になっているのが理想です。寝る3時間前までには夕食をすませましょう。
夕食が遅くなるときは、おかゆなど消化のよいものを軽く食べる程度に。
夕方にウォーキングやストレッチで血行を促し、体温を上げておくと、そのあと、就寝時間に向かって体温が徐々に下がるので、眠りやすくなります。ただし、運動をするなら、夕食前までに。深夜にマラソンやエアロビクスなどの激しい運動をすると、体温が上がりすぎたり、交感神経が優位になるため、かえって寝つくまでに時間がかかってしまいます。
寝る直前に熱いお風呂に入ると、交感神経が刺激されてしまい、体温も上がりすぎるので、眠気が吹き飛んでしまいます。お風呂は就寝の1〜1時間半前にぬるめのお湯で入るのがベスト。時間があれば30分くらい湯ぶねにつかることで、昼間の緊張がほぐれるので、リラックスして眠ることができます。
寝る前にTVやパソコン、携帯電話の画面などの強い光を目にすると、寝つきが悪くなります。習慣化すると夜型生活になって、不眠につながります。就寝の1時間<らい前にはスイッチを切るようにしましょう。
強い光は眠気を妨げてしまいます。寝室は照明を消して暗くするか、明かりが直接目に入らないよう、間接照明を使ってやさしい雰囲気をつくりましょう。また、静かな環境が苦手で音楽をかけたい人は、心が落ち着くヒーリング音楽を選んで。
ただし就寝中も音が流れていると、脳が刺激されてしまうので、スリープモードを使い、就寝中はスイッチが切れるようにします。
寝室と居間の区別がない生活だと、ベッドをソファ代わりに使いがち。すると、起きている時間と寝る時間のけじめがつけにくく、ベッドに入っても「寝る時間」という意識が持ちにくくなります。ベッドは寝るときに使う場所という意識を持つために、起きているあいだはベッドカバーをかけておきましょう。